Googleの社員食堂に感じた、格差社会のリアル。

つい先日、Googleにランチに行ってきた。

Googleはオフィス内に3つの食堂があり、その全てを無料で社員は利用する事ができる。そして社員に知り合いがいると、その食堂を外部の人間も利用できるのだ。

<参考 Googleの社員食堂行ってきた! – はらぺこグリズリーの料理ブログ

あの有名なGoogleの中に潜入できる!こんなワクワクする展開もそうはあるまい。

 

というわけでGoogle社員に聞いた色々な話を織り交ぜつつ、現代のグローバル企業の深淵に迫っていこう。

 

能力不足でクビになった人が1人もいないGoogle日本支社

六本木ヒルズの43階にあるGoogle食堂での光景は異様としかいいようがない。

雰囲気を一言で表せば、まるで外国の大学のカフェテリアのようである。

そこに並ぶのは「ホテルのビュッフェかい!」といいたくなるような色とりどりの品目。全部で20種類ぐらいはあったんじゃないだろうか。

 

その日のメニューの一部をあげると、そんじょそこらのビフテキより分厚い牛カツ。ドテ煮込み。鴨鍋。お好み焼き。キムチ豚丼。カレー……。

おいおいおい。Googleさん、ちょっとこれ、どういう思考回路をぶっ込んだら、こんなメニューを社員食堂で出そうとか思うんだ?

ちなみにGoogleに入った職員は平均で体重が3キロ増えるらしい。完全に餌付けされとんがな!

 

「その日によってメニューがいろいろ変わるんですよ。今日は郷土料理フェアで、関西の料理が出てるみたいですね。この間はスペイン料理フェアでした」

とりあえず牛カツにむしゃぶりついた。

「う、うま・・・ってかなんでこんなに分厚い牛肉がちゃんと揚げられてるの・・・肉質も普通にいいし」

「Googleは食事は全ての基本だと力を入れていて、日本支社を作るときも6人目に採用したのが料理人だったそうですよ」

スかした顔で案内人が答える。

お前はこんな旨いもんを毎日食ってるのか。全まずくて高い社食を食ってる国民に謝れ。

 

とはいえ、こんな高待遇を受けてるのだから、やっぱり社内生存競争は相当厳しいのではないだろうか。が、しかしGoogleでは基本的にはまずクビにはならないのだという。

「セクハラとかパワハラやると解雇されますけどね。日本支社ができてから今まで、能力不足が理由で解雇された事例は1人もないそうです」

なんやそれ。天国やん・・・

 

「ってかどうやってGoogleって入社するの?」

「Linkedinのアカウントに直接連絡がきたんすよ。んでフツーに面接して入りました。面接も、”あなたはGoogleに入ったらチームにどう貢献したいですか?”みたいなフツーの感じで、奇抜な質問は一個もなかったです」

 

ほうほう。ちなみに日本支社には1500人の社員がいるのだという。

「ぶっちゃけ、給料どんだけ上がった?」

「前職の2倍ですね」

僕はめまいがした。そりゃ日本企業なんかに優秀な人は残らんわ。

 

グローバルエリートの年収は1000万からスタートする

日本だと年収1000万というと、相当な高給取りに思える。なんというか、サラリーマンの目指すべき1つのゴールだろう。

しかし外資系企業につとめる複数のエリートから聞く話によると、ガチンコのグローバル大企業における待遇はそこそこの職歴があると1000万円Overからスタートする。

つまり、日本企業のゴールがスタート地点なのだ。

 

現代はものすごい知能格差社会だ。僕は前から経営者が「人手不足だ」というのが不思議で仕方がなかった。

人なんて、それこそハローワークにでも行けばゴロゴロいるというのに、いったい何で経営者が人手不足だというのかがサッパリわからなかった。

「人手不足だって口では一応言うけどね、本当は足りないのは人じゃなくて、能力がある人なんだ」

ある経営者は僕にコソッとこう打ち明けてくれた。

 

そうなのだ。足りてないのは一定以上の能力を持つ人間なのである。

人手が不足したのではなく、仕事に求められる能力自体のハードルが上がった結果、募集要項を満たす人間の数が減ったのが人手不足の真相なのだ。

そしてその中でも、特に能力のある人間に対して支払われる報酬はエゲツないほど高い。

ちょっと前にNTTデータがあまりにも優秀な人間がGAFAに引き抜かれるので、給与体系の抜本的見直しをすると発表していたけど、高度知的社会における優秀な人材の希少価値の高さはとんでもないのである。

参考「GAFA流出への危機感」NTTデータ 高額報酬の人事制度を投入へ – エンジニアtype | 転職type

 

彼らは英語が喋れれば年収が1000万超からキャリアがスタートする。頭のいいグローバルエリートにとって、現代はとんでもねえオッパッピー状態なのだ。

 

食堂の隣にはゲームセンター

うまい飯に舌鼓を打ったあとで、Googleの社内を見学させてもらったのだけど、それがまた異様だった。

食堂のとなりにある部屋では、社員がなんとプレステのぷよぷよで遊んでいた。

「休み時間は何やっても自由なんで、いろんな遊具が置いてあります。裏にはダンスダンスレボリューションもありますよ」

 

……ここは……本当に……会社なのか……

 

「音楽ルームもありますから、楽器だって演奏できます。あ、そこにある自動販売機、勝手に押してもらって大丈夫ですよ。無料でジュース飲めますから」

ポチッと押したら本当にペットボトルが出てきた。

本当にここは日本なのだろうか……そういえばさっきから見る人達、国籍が随分とバラエティーに富んでるような……

 

「営業だけは日本人多いんですけど、基本的には社員の国籍はバラバラですね。いま自分がいるチームは、日本人は自分ひとりだけなんですよ。だから社内の会話も全部英語です。」

「Googleは1年以上いると、好きな国の支社に応募できるんですよ。日本は環境よくて物価も安いから、結構人気あるみたいですよ」

 

そういう彼も、来期はどこか外国で働きたいのだという。

「やーでも日本は家賃安くていいですよね。シリコンバレーの本社近辺なんて、家賃が40万以上とかしちゃうから、みんな市外からバスで2時間とかかけて通ってるらしいですよ。ま、そのバスもGoogle専用車らしいですけどね」

参考 シリコンバレーの影:家賃高騰、仕事のあるホームレスが急増 月11万の車上生活も | NewSphere

 

ドーナッツ化現象もグローバルレベルになると、桁が違う。日本の通勤事情も異常だが、グローバル企業の最先端はそれを更に煮染めた様相なのである。

 

Googleの社員はみんなめっちゃいい人

「この仕事について驚いたのが、民度が高すぎるって事ですね。性格が悪い人が全然いない」

「どういうこと?」

「例えば、日本企業だったら仕事を押し付けてくる人とか、何もしない人とかいるじゃないですか。Googleだと、むしろ周りの人間が気を利かせて勝手に仕事やってくれちゃったりするんですよ。だからボケっとしてるといつの間にかタスクが無くなってる」

なんじゃそりゃ。

 

「男も女も産休とか育休とかみんな取るし、有給もみんな全部消化する。産休とか取ると、空いたポジションには基本的には別の誰かがつくんですけど、戻ってきたら当然そのポジションはないんです。」

「じゃあ、戻ってきたらどうするかっていうと”こことここのポジションが空いてるけど、どこ行く?”とか聞いてくれるんですよ。衝撃でした。だから普通にみんな休みを躊躇なくとる。社員にポテンシャルがあるから、それで全然仕事が回っちゃうんですよね」

なんやそれ、ハイスペの楽園かい……

 

「けどちょっと、この明るすぎる雰囲気が時々苦しくなる時もありますね・・・みんな自身に満ち溢れすぎというか。日本人である自分は、もうちょっとトーンが落ち着いていた方が嬉しいかな」

まあわかる。わかるんだけど、それエライ贅沢な悩みやなw

 

Googleの本質はNHKやDMMと同じ

なんでこんなハイスペワンダーランドが持続しているかと言うと、Googleが無敵の不労所得を持っているからに他ならない。検索エンジンに貼り付けられた広告である。

私達はほぼ毎日検索エンジンを使う。そしてその圧倒的シェアを誇るGoogleは、検索エンジンさえ動いてれば、何もせずとも広告料金でモリモリお金が入ってくる。

 

そのお金を使って、世界中からハイスペを集め、ハイスペに新しい何かをさせる。You tubeを買収したり、Google Mapを作ったり、Gmailを開発したり、最先端のスマホを作ったりと、まあいろいろだ。

この仕組はNHKやDMMに似ている。NHKは集金人に泥のような営業をやらせる事で、社員は全く営業の苦を味わうことなく仕事に専念できる。

 

前に知り合いがNHKにインターンに行ったのだが、社員はみんな驚くほど人当たりがよく、また性格が良かったのだという。彼は「営業しなくていいと、人はここまで性格がよくなるのか」と衝撃を受けたという。

また DMMもエロでかき集めたお金を他の産業に流すことで、いろいろな仕事をやっている。暗号通貨の取引所を開いたり、オンライン英会話をやったり、サロンを開いたり、まあなんつーか何の会社かよくわからないぐらい、雑多な感じだ。

 

この仕組は実に強い。仕事で一番シンドイのはモノを売る営業だ。どんなにいい商品を作った所で、どこかの誰かが買ってくれないと売上は全くたたない。

靴をすり減らして外回りし、信頼関係を築き上げ、頭を下げてヘコヘコする営業がいないと、利益なんて入らない。

そこから自由でいられる上の3社は、ある意味では資本主義社会の楽園だろう。

 

しかしこの仕組は、果たしていつまで続くのだろうか?ナシーム・ニコラス・タレブはその著書・ブラック・スワンで世の中には予測不可能で壊滅的な事象が起きることは避けられないという現象を提唱している。

 

例えば9/11。ツインタワーにハイジャックされた航空機がぶつかる事なんて、誰一人として予想していなかった。

3/11だってそうだ。東北の、おまけに原発の近くであんな大地震が起きることを正しく予測できた人は1人もいなかった。

 

実はGoogleだってそうだ。セルゲイ・ブリンとラリー・ペイジの2人が作り上げた検索エンジンシステムが、まさかこんなドル箱となり、ハイスペの楽園企業を作り出すだなんて、誰一人として予測できなかっただろう。

 

しかし、それならば逆も真なりなのだ。NHKはガチガチに法規制をかけて集金を縛り付ける事で生き残ろうとしているけど、そんな事をしているという事は実は内情は色々困ってるのだろう。

DMMは次世代のエロが出てきたらシェアをどこかに取られるかもしれないし、Googleだって誰もが予測できないブラックスワンが起きたら、簡単に息の根がとまるのかもしれない。

 

Googleの儲けのシステムはとても硬い。けど、世の中には壊れないものなどない。

オスマン帝国もローマ帝国も全盛期は当時の人からすれば永遠に続くかのように見えただろう。けど後から振り返ってみればどちらも崩壊している。世界最長の江戸幕府だって、せいぜい260年程度しか続かなかった。

だからGoogle帝国も意外とあっけなく壊れるのかもしれない。そんな事を考えつつ、僕の社会見学は終わりを告げた。

 

最後に招いてくれたお礼をいい、妻と帰路についた。案内人の彼は「また、渋谷にオフィスが移転したら遊びに来てください。次はもっと凄いらしいですから」と言ってくれた。

 

僕の顔をみて、何かを感じ取った彼は最後にこういった。

「10年後。Googleがまだ残ってるだなんて気軽な気持ちで考えてる社員なんて誰もいないですよ。世の中、そんなもんですから」

強い(´・ω・`)

きっと彼は生き残るだろう。(´;ω;`)チックショーウラヤマシー⇐(社食が激マズの僕)

 

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(2019/9/28更新)

 

【プロフィール】

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高須賀

都内で勤務医としてまったり生活中。

趣味はおいしいレストラン開拓とワインと読書です。

twitter:takasuka_toki ブログ→ 珈琲をゴクゴク呑むように

noteで食事に関するコラム執筆と人生相談もやってます→ https://note.mu/takasuka_toki

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